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SARS-CoV-2の表面はエンベロープと呼ばれる脂質二重膜で追われており、そこに突き刺さるようにスパイクたんぱく質がくっついています。
SARS-CoV-2の不活化にアルコールが有効であるのは、この脂質でできたエンベロープをアルコール(濃度70%以上のエタノール)が破壊するためです。
一方でエンベロープ構造を持たないノロウィルスなどは、表面がたんぱく質の殻で覆われているため、アルコールでは不活化できません。この場合は次亜塩素酸ナトリウムの希釈液(0.05%程度)を使用します。
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エンベロープの中には、カプシドというたんぱく質でできた殻があり、その中に遺伝情報が組み込まれたRNAが存在しています。